先生へ -君に詠む愛の歌-
*****佳央視点*****

コンコン。


柚那の病室にノックをして


入った。


柚那は起きていて


上半身を起こし


窓の外を見ていた。


ゆっくりと私に向き直る柚那。


「また来てくれたんだ。」


そう柚那はうれしそうに微笑んだ。


その顔を見て私は抑えていたものが


また一気にあふれ出て泣いてしまった。


「ごめんね。ほんとごめんね。
 あなたを忘れてしまって、
 ほんと、ごめんなさい。」


柚那もそう言って泣いていた。



私は泣きながら必死に笑顔を作った。



「大丈夫だよ!
 私と柚那は親友なんだから!
 すぐまた元通りになるよ!
 田元佳央って言うの♪
 佳央って呼んでね?♪」





柚那は泣きながら


何度も何度もうなずいていた。






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