先生へ -君に詠む愛の歌-
目がさめると

そこは保健室だった。


「気がついた?」


横には伊波先生がついて

いてくれた。


「私・・・。」


「図書室で倒れてたんだよ。
 大丈夫??
 まだムリはダメだよ?」


伊波先生が私に優しく話す。


「はい・・・・。」


「どうしたの??
 何かあった??」


「いえ。」


「・・・・そう。
 けど1人で
 抱え込まないように。
 何かあったら必ず
 相談して欲しい。
 僕じゃなくてもいいから。
 信じられる人とか
 大切な人にでもいいから。」


「・・・はい。」


「自分が心を開いていかないと
 相手も開いてはくれない。
 自分が受け入れていかないと
 相手も受け入れてはくれないよ。」


伊波先生はゆっくりと

諭すように私に話してくれた。


「・・・はい。
 ありがとうございました。」


「もう起き上がれる?
 遅いなぁ、そろそろ
 来るはずなんだけど・・・。」


「え?」

廊下を走る音が聞こえてきた。

保健室のドアが勢いよく開いた。

「柚那!」

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