先生へ -君に詠む愛の歌-
ガラッ

前方の扉が開いた。

あ、あの先生だ・・・。

「間に合った~」

ふぅ~っと息をついて

状況を確認している。

「壬生(みぶ)先生ギリギリですね。
 じゃあ先生も来たし、始めようか。」



壬生先生って言うんだ・・・



久世先輩(?)がサッと私の横に

戻ってきた。

「みなさん、起立してください。」

どこからともなく号令がかかる。

全員で一礼して着席すると

生徒会長らしき人が話し始めた。


「これから生徒会会議を始めます。
 議長を務めます、生徒会長の吉岡です。
 今日は今期初の会議になりますので
 端から自己紹介をお願いします。」

「吉岡先輩堅苦しいでぇーす♪」

横で久世先輩(?)が叫んだ!

唖然としてしまう私。

「ウッサイ久世!!じゃあ久世から!!」

「マジっすか?!まぁいいや。
 えーと、2年A組の学級委員の
 久世恭介(くぜきょうすけ)です♪
 ずっと吉岡先輩が好きでした!!
 付き合って下さい!!」

と、生徒会長に頭をさげて

手を出している。

それを見た吉岡先輩は無言で立ち上がり

ツカツカと久世先輩の前に立ち

手を握り締め・・・

「俺も前から久世のことが・・・」

「先輩!!」

二人はガシッと抱き合った!



えぇぇぇーーー!!

ビックリしながら目の前で

繰り広げられる禁断の世界。


「ほら、そのぐらいにしとけ~
 新入学生が本気にするぞ(笑)」

黙ってみていた壬生先生が声をかけた。

「バカ久世離せ。もういいから(笑)」

「も、もう少し!!」

がっしり抱きついた久世先輩は

離れずに言った。

会議室の爆笑をさらい、

少し緊張の走ってた雰囲気が

一気に和んだ。


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