先生へ -君に詠む愛の歌-
翌日

今日は保健室に行く日。

そういえば最近

保健室のまわりで

女生徒を見なくなったなぁ。


コンコン。


「失礼しまーす。」


「藤里さん、いらっしゃい。」


伊波先生は相変わらず

優しい笑顔で迎え入れてくれる。


体調のことなどを

中心にいろいろ話をした。


「んーじゃあ
 今日はこれ終わり。
 帰って大丈夫ですよ。」


「伊波先生・・・。」


「どうしました?」


「・・・。」


「先に僕の話しを
 聞きませんか?」


「え?」


「人は記憶がなくなっても
 本質的には変わらないと思う。
 だからまずは自分を
 信じることからはじめて
 みるといい。
 そして、自分を信じることが
 できたなら、次は自分の
 まわりをよく見てごらん。
 そうしたら信じれる人が
 分かってくると思う。」


伊波先生は諭すように

ゆっくり私に話した。


「はい・・・。
 わかりました。」



そう言われてなんだか少し

気持ちが軽くなった気がした。


「藤里さん。」


「はい。」


「・・・僕に
 恋しちゃダメだよ?」


伊波先生は優しく微笑んだまま言った。


「え?!//
 な、なんですか急に!//」


「フフ・・・
 僕にはね、今好きな人が
 いるんだ。
 彼女と別れてしまうぐらい
 好きになった人がいる。」


「どうしてそんな大切な
 話しを私に?」


「・・・
 僕は藤里さんを
 信じられる人だと
 思ったからだよ。」


「ありがとうございます。」


「じゃあがんばって。
 いつでもまた相談に
 きていいから。」


そう言って伊波先生は

私を保健室から見送ってくれた。


ほんと、素敵な先生だな。





・・・壬生先生のほうが


好きだけど///


< 171 / 337 >

この作品をシェア

pagetop