先生へ -君に詠む愛の歌-
「よぅ。久世元気か?」


1人の私服の男の人が入ってきた。


「吉岡先輩!!
 うわ~めちゃ久しぶり!」


久世先輩はうれしそうに

駆け寄っていった。


「柚那ちゃんも元気してた?」


「あ、はい。
 えっと・・その・・・」


「記憶がないんだよね?
 聞いてるよ。
 大変だろうけど
 がんばってね。」


吉岡先輩は微笑んでくれた。

「はい。ありがとうございます。」


「久世、今からメシ行かないか?」


「お!いいっすねぇ!
 柚那ちゃんも行く??」


「私はちょっと用があるから・・。」


「そう、じゃあまたくるから
 その時は一緒にいこうね。
 いくぞ、久世。」


「あ、はい!じゃあ
 ごめんね柚那ちゃん♪また!」



久世先輩は吉岡先輩に

ついて行ってしまった。


はぁ・・・。


久世先輩のアノ傷・・・。


「柚那ちゃん。」


振り返ると吉岡先輩が

扉のとこから私に呼びかけた。


「はい!」


「壬生先生に伝えといて。
 『本能寺には誰もいない。
  もっと近くだ。』って。
 伝えたらきっと分かると
 思うから。じゃあね。」


そういうと私の返事を待たずに

行ってしまった。




なんなんだろう?

とりあえず壬生先生に伝える為

生徒会準備室で先生の帰りを待った。

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