先生へ -君に詠む愛の歌-
「え?柚那?」


「あ、先生」


先生が準備室に戻ってきた。


「どうした??
 また一緒に仕事するか??」


「しません!//
 あの、伝言を頼まれて・・」


「伝言?」


「なんか吉岡先輩?って
 人からで~・・」


「おぉ!吉岡か!
 きてたのか~」

「で、久世先輩と
 ご飯にいっちゃいました。
 伝言は、
 『本能寺には誰もいない
  もっと近くだ』って
 言ったらわかるって
 言われたんですけど。」


「・・・・・
 吉岡と本能寺に行く
 約束でもしてたっけかな?」


「え??わからないんですか??」


「ん?今は柚那のことだけ
 考える~♪」



また手を広げている・・・。


あの腕の中にとらわれると


抜け出せない・・・


私も離れたくなくなっちゃう。


「きょ、今日は帰ります!//」


「えー。」


「えーじゃないです!//」


「あ、そうだ。
 結局この前柚那を堪能してたら
 プレゼント渡せなかったんだよ。
 はいこれプレゼント♪」


先生は黒い袋に白いリボンの

包みを私に渡してきた。


「あ、ありがとうございます。」


「うん。あけてみて?」


私は包みをあけてみる。


真っ白な細身な手袋が出てきた。


「かわいい♪♪」


「この前のマフラーに合いそうだって
 思ってな。気に入った?」


「はい♪ありがとうございます♪」


「よかった。じゃあ俺も職員室に
 行くから、そこまで送るよ。」


「はい♪」


「あ、柚那。」

「はい?」

「手かしてみて。」


なんだろう?って思いながらも


先生に手を差し出した。


先生は私の手をそっと


顔に近づけ手のひらにキスをした。


「!!///」


「今日はこれでガマンしとく♪」



そう言って先生は満足そうに

私に微笑んだ。




先生がキスした手のひらが

とても熱いよ・・・。
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