先生へ -君に詠む愛の歌-
*****壬生先生視点*****

視聴覚室に入る。


「どうした?」


立ったままの彼女に

声をかけた。


「先生・・・
 あの・・・
 私・・・
 私・・・」


「どうした?」


もう一度優しく声をかけた。


「ごめんなさい!!」


彼女は勢いよく頭を下げ

泣いていた。


「私、壬生先生が
 好きで好きで・・ヒクッ
 どうしようもなくて・・ヒクッ」


それから彼女は今までのことを

一気に話しだした。


柚那を突き落としてしまったこと。

久世にそそのかされて

柚那に話したこと。

なのに柚那が話したことに

対して感謝してくれたこと。


そして何度も

ごめんなさいと号泣しながら

俺に言った。


「君も今までつらかっただろ。
 話してくれてありがとう。」


彼女はさらに泣き崩れた。

彼女にハンカチを差し出す。




久世・・・。




少しやりすぎたな。


*****壬生先生視点終了*****
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