先生へ -君に詠む愛の歌-
「それはもう
 買うしかないね。」


急に後ろから声を掛けられて

ビックリして振り向いた。


「佳央!」


「おまたせ♪」


「どうしよぉ・・・。」


「どうせ指輪は重いとか
 考えてるんでしょぉ~
 まぁ安くもないしねぇ
 けど、その今柚那が
 してるホワイトゴールド
 であろうピアスは
 壬生先生からの
 プレゼントだよ♪」


「え?!!」


「まぁ記憶なくす前の
 プレゼントだから
 覚えてなくてしかた
 ないんだけどね・・・。
 だから値段なら
 買えるのなら問題
 ないかもよ♪
 シルバーみたいだし。」



このピアス・・・

先生からだったんだ・・・。



「けど、やっぱり指輪って
 重くならないかな??」


「壬生先生なら喜ぶんじゃ
 ない??あんなキャラだし(笑)」


「どんなキャラ?」


「柚那にベタ惚れな感じ(笑)
 指輪の由来って知ってる?」


「ん?知らない。」


「中学の時に私達が
 お世話になった
 塾の先生の言葉なんだけど
 もともと指輪は
 『奴隷のしるし』
 だったらしいよ。
 今だと貴方の奴隷に
 なります。って感じ?」


「やっぱり重いじゃ~ん!」


「だいじょうぶだよ。
 壬生先生なら
 よろこんで
 柚那の奴隷になって
 くれるよ(笑)
 むしろもう柚那に
 とらわれちゃってるし(笑)」



結局、そのあといくら他のものを

見てもリングが頭から離れなくて



奴隷のしるしを買っちゃった・・・。

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