先生へ -君に詠む愛の歌-
「佳央・・・」


「けど、私に遠慮とか
 して伊波先生の気持ちに
 答えないとかはやめて?
 私に失礼だよ?
 わかるよね柚那なら。
 私は伊波先生という
 人に会えてすごく
 よかったと思ってる。
 できれば友達っていうのは
 おかしいけれど
 人としてのつながりは
 切りたくないって思ってる。
 気持ちを切り替えるには
 少し時間はかかるかも
 しれないけれど・・・。
 ちゃんと柚那には
 私の気持ち話して
 おこうって思ったの。
 どんな結果になっても
 私は柚那も伊波先生も大事なの。
 だから・・・ッ」


佳央の目からこらえていた

涙が流れた。佳央はうつむいた。


「ご、ごめんね。
 泣いちゃって・・・。
 柚那、お願いだから
 私に気を使って・・ッ」


「わかった!わかったから!!」


そう言って佳央を抱きしめた。

私も涙があふれだす。


「柚那ぁ・・・ヒクッ」


「話してくれて
 ありがとう。
 私も佳央が大事だよ。
 言いたいことは
 わかったから・・・。
 ちゃんと伊波先生の
 気持ちと向き合って
 くるから。」


佳央はもう声にならなくて

何度も何度も私の腕の中で

うなずいていた。





伊波先生・・・



あなたは佳央が好きなはず・・・

 
なのにどうして・・・

 
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