先生へ -君に詠む愛の歌-
*****壬生先生視点*****

「佳央に日記見せて
 もらったか?」


「見てはいませんが
 話しは聞きました。」


「そうか・・・。
 僕は死にましぇ~んって
 金八みたいに車の前に
 飛び出したら、柚那は俺に
 ぞっこんラブになるかな?」


「・・・・。もうどこから
 突っ込んでいいのか
 わからない発言ですね(笑)」


「そうか?」


「えぇ(笑)
 まず柚那ちゃんたちの
 年代には
 僕は死にましぇ~んって
 わからないと思いますよ?」


「そうなのか?!!」


「そうですよ。
 僕だって思い出の名場面
 みたいなので見たぐらいです。
 それに車の前に飛び出して
 死んだらどうするんですか。
 それこそさらに
 柚那ちゃんが・・・」


「そうだな・・・。
 金八は俺の憧れなんだがなぁ。」


「話しがずれてますよ。
 あとぞっこんラブも死語です。」


「ぞっこんラブまで
 死んでたか・・・。」


「残念ながら。」


「伊波、俺
 今年で3年間
 担任持ってないんだ。」


「え?もしかして・・・」


「ありえるだろうな、異動。
 私立だから限られてるが
 一応、数ヶ所にあるからな
 学校が・・・。」


「・・・。」


「柚那が記憶を取り戻すたびに
 不安で仕方がないのに
 さらに異動で離れるかも
 なんてな・・最悪だよ。」


「・・・・。」


「早ければ10月、
 遅ければ3月。
 3月なら卒業と
 同時ぐらいだな。」


「ん?あれ。
 柚那ちゃん海の中で
 ナンパされてません?」


パッと柚那を見ると

2人の男が声をかけていた。


「早く言えよ!!」


「今気づい・・」


伊波の返事を待つこともなく

海に猛ダッシュして柚那を

助けに行った。

*****壬生先生視点終了*****
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