先生へ -君に詠む愛の歌-
「柚那
結婚しよう。」
「え?!!」
予想外の言葉に
思わずビックリして
しまった。
哀しそうな目をして
貴臣さんが私の方を向いた。
「俺、10月で
北海道に転勤に
なるんだ・・
俺、耐えられないよ・・
柚那を置いていくなんて
耐えられないんだ・・
教師として最低のことを
言ってることもわかってる。
けど・・・」
貴臣さんの目からは
涙がこぼれ落ちていた。
貴臣さんが私を抱きしめた。
「貴臣さん・・・」
「俺が責任もって
柚那を守っていくから。
だから俺についてきて欲しい。
高校中退になるかも
しれないけど、
必ず俺が守っていくから・・」
私の目からも涙が流れる。
「貴臣さん・・・
うれしいよ。
ありがとう・・・」
「柚那・・・」
私は少し離れて
貴臣さんの顔をみた。
私のことを想って
流してくれた
貴臣さんの涙は
月明かりに照らされて
とても綺麗だった。