先生へ -君に詠む愛の歌-
貴臣さんの転勤の

話しは思ったより

広まっていなくて

騒ぐ生徒もいなかった。


貴臣さんは転勤のため

引継ぎとかでさらに

忙しくなって

それでなくても

あまり会えないのに

ほとんど会えなくなった。


そして時間はあっと

いう間に過ぎていって

貴臣さんの

最後の授業の日になった。


なんのかわりもない

いつも通りの授業。



貴臣さんの低くて甘い


イイ声が教室に響き


教室の半分ほどは


眠りに落ちる。



私は貴臣さんの声を

聞きながら

すべて戻ったであろう

記憶を

出会った時の事から

ゆっくり回想してみた。



そういえば最初に

会った時の印象は

とてもイイ声だって

思ったんだっけ・・・



貴臣さんの生徒として

最後に受ける授業・・・

もうこの時間は

戻ってこない・・・



しっかり目に

焼付けとかなきゃ・・・




私の大好きな


壬生先生


私はあなたにとって


よい生徒でしたか??

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