先生へ -君に詠む愛の歌-
家に近づくにつれて

貴臣さんが緊張しはじめた。

「はぁ・・・
 緊張する・・・。」


「バカ臣らしくないね(笑)」


「佳央は平気なのか?」


「んー私よりも
 光輝のほうが・・・」


「今話しかけられると
 事故ります。」


「伊波が緊張してるの
 初めて見るかも(笑)」


「たしかにそうかも・・・」


「大丈夫?光輝・・・」


「・・・・。」



「お!そうだ!
 ポックル探して
 買ってきてやったぞ!
 食え!」


そう言って

貴臣さんがカバンから

じゃがポックルの箱から

1袋取り出してあけた。


「はい♪あ~ん♪」


助手席の後ろの席から

運転席の伊波先生に

食べさせた。


伊波先生も素直に

口を開けてるし・・・


「味が・・・
 緊張しすぎて
 わからない。」


「重症だな(笑)」


「事故りますよ?」


「ごめんなさい(笑)」


いつの間にか

貴臣さんのほうの緊張が

ほぐれていたような気がする。


そうして

私の家に到着した。


「柚那、
 後で連絡するからね♪」


「うん♪私も連絡する♪」


「がんばれよポックル!」


「バカ臣さんも
 健闘を祈ります。」



伊波先生の車は

佳央の家の方に走っていった。
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