先生へ -君に詠む愛の歌-
夜になって

ママと一緒に帰宅した。


お風呂に入って

自分の部屋に戻った。


そろそろ

電話かかってくるかな・・・


そう思いながら本を

読んでるいると


携帯が鳴った。


「もしもし。」


「柚那。
 帰れなくて
 ごめんな。
 大丈夫か?」


貴臣さんの優しい声に

抑えこんでいた感情が

一気にあふれだして

涙がこぼれ落ちる・・・


「・・クッ・・
 だ、大丈夫・・・
 じゃ・・ないかも・・」



自然と声が震えてしまう。


「柚那・・・
 会いたい?」


「うん・・・
 会いたいよぉ・・ヒクッ」


「柚那。
 月を見てごらん。
 今日はとても月が
 キレイだよ・・・。」


私は窓に近づいた。

外の気温が低いせいか

いつもより月が綺麗に

浮かび上がっていた。


「ほんと・・
 キレイ・・・」


「柚那の白いパジャマ姿も
 キレイだよ♪」

「え?!//
 な、なんで白って
 わかるの?!!//」


「ん?
 だって見えるから♪」


月から目線を下にずらすと

貴臣さんが立っていた。


「え?!!///」


「きちゃった♪」


私はあわてて

階段を駆け下りて

玄関から飛び出して

貴臣さんの胸に飛び込んだ。
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