先生へ -君に詠む愛の歌-
貴臣さんが私の額に

キスをした。

私を抱きしめて

耳元で貴臣さんがささやく。


「柚那・・・
 本当はキスもそれ以上の
 こともしたいって思う。
 けど、柚那が俺を選んでくれた
 だけでも恐いぐらい幸せなんだ。
 だからすごく大切にしたい。
 柚那のこと・・・
 本当に大切にしたい・・・。
 これが俺の愛し方なんだ。
 だから結婚するまで
 俺の柚那を大切にしておいて・・。」



「貴臣さん・・・」


また涙が出そうになる・・・


「その顔も反則・・
 じゃあ行くよ。
 伊波のとこに
 泊まってるけど
 朝一帰るから
 会えないけどごめんな。」


「ううん。
 ありがとう。
 会いにきてくれて・・・。
 すごくうれしかった。」


貴臣さんが自分のシャツの中に

手を入れた。

貴臣さんがネックレスを

シャツの外に出した。


トップには私があげた

リングが光ってた。


「もらってから
 ずっと学校のある日は
 ネックレスにしてたの
 知ってた?」


「し・・知らなかったよぉ・・
 先生だか・ヒクッ・休みにしか・・
 してないのかと・・ヒクッ
 思って・・たぁ・・ヒクッ・・」


「うん。隠してた。
 そのほうがなんか
 大切にしてる感じがしない?」



貴臣さんは優しく微笑んで言った。


私はまた貴臣さんの腕の中で泣いた。



貴臣さんは私が泣きやむまで

ずっと抱きしめて

頭をなでてくれていた・・・。
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