先生へ -君に詠む愛の歌-
「あ!光輝だ♪」


佳央の視線の先をたどると


桜の木の下に伊波先生が


立っていた。


伊波先生が桜の木を


指さしている。


「木のかげに
 臣君隠れてるみたいね。」


「うん♪」


私たちは桜の木の方に

駆け出した。


「藤里先輩!田元先輩!」


後ろから呼び止められて

振り返るとなぜか

たくさんの女子生徒と

少しの男子生徒。


あっという間に取り囲まれた。


「先輩に憧れてました!」


「先輩のことが好きです!」


「握手してください!」


「写真一緒に撮ってください!」


「ボタンください!」


次々に言われて

私も佳央もちょっとパニック。


なるべく1人ずつに

しっかりと答えていくけど

全然間に合わない。


いつの間にか同級生も

混ざっていた。


「か、佳央ぉ~」


背中合わせで対応していた

佳央に話しかけた。



「がんばれ柚那!
 私も人事じゃないけど(笑)」



はやく貴臣さんのとこに

行きたぁ~~~い!!
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