先生へ -君に詠む愛の歌-
コンコン。

「はい?」

ノック??

「あ、柚那ちゃん。
 今、1人??」

「はい」

笑顔で答える。

たしかこの人は、

2年の・・・

「柚那ちゃん!
 あの・・・
 俺・・・
 柚那ちゃんが好きです!
 付き合って下さい!」


え?何?告白??


・・・・・・・・。


「ごめんなさい。
 私、誰とも付き合う気が
 ないんです。
 けど、好きになってくれて
 ありがとうございました!」


深々と頭を下げた。

人を好きになる気持ちは

すごくよくわかる。

恋愛体質だったから。



人を好きになること。



告白すること。



想像以上に




とてもせつなくて





すごく勇気がいる。



「彼氏とかいないんでしょ?
 だったらとりあえず
 付き合ってみない??」


「ごめんなさい。
 私は誰も好きになれない。」


「元カレが忘れられないとか?」



・・・元カレか・・・。


静かに首を横に振る。



「ごめんなさい。
 私は誰も好きにならない。」



気がつけば、私の目からは

涙が静かに流れていた。


「好きになってくれて
 本当にありがとうございました。」

また深々と頭を下げた。

なにも言わずに彼は去っていった。


 
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