先生へ -君に詠む愛の歌-
生徒会議室で

壬生先生と私は

ぼーっと閉会式を

見つめる。

書記の先輩はどうも

得点板が落ち着いてる

のを見抜かれて

他の手伝いさせられてるみたい。

上からみるとよくわかる。

「なぁ?」

外を見たまま壬生先生が

話しかけてきた。

「はい?」

「どうして柚那は
 先生にちゃんと敬語なんだ?」

「え??」

「いや、ほとんど他の生徒なんて
 先生にはタメ口だからさ。
 柚那は自然と最初から
 敬語だったなぁ・・・って。」


「たぶん佳央もそうですよ。」


「佳央ってこの前の??」


「そうです田元佳央。
 中学校からの親友です。」


「柚那の中学校では
 敬語を指導してたの??」

「・・・・塾です。」

「最近の塾はそんなことまで
 教えてるのか~
 あなどれないなぁ~」

「違いますよ。
 きっと・・」

バーン!!

勢いよく会議室のドアが開く。


「柚那ちゃ~ん♪お疲れぇ~♪
 美輪先生に何もされてないか~?」


上機嫌な久世先輩登場。

「誰が美輪だ。」

もう怒る元気すらない先生が

答える。


「そういえば、髪が夕日で
 反射して金髪に見えますよ。」


なんて便乗してみた。


「なっ?!柚那まで?!!」


久世先輩は爆笑してる。

気がつけば私も一緒に笑ってた。


体育祭も無事終了。

高校で初めての仕事。

とっても充実してて

楽しかった♪
< 36 / 337 >

この作品をシェア

pagetop