先生へ -君に詠む愛の歌-
コンコン。

「どうぞ。」

「失礼しまーす。」

先生は机の向こうで

立ったまま窓にもたれ

外を見ていた。

「議事録のどの
 あたりですか??」

私は議事録に手をのばす。


「ん?いや、ウソ。」


ウソ?

思わずキョトンって

してしまった。


「あのまま久世と
 帰ってたら
 ヤバかっただろ?
 副会長すごい顔して
 睨んでたし(笑)」

そう言って


先生は


月を見ていた。








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