先生へ -君に詠む愛の歌-
「なんかさぁ~
 美輪ちゃんの授業で
 半分以上の生徒が
 居眠りするって
 なげいてんの(笑)」

「あー ですねぇ
 壬生先生の声って
 イイ声だから・・・。」


あ、思わず言っちゃった。


「眠くなる声だろ?(笑)
 ほら~美輪ちゃんの
 声が悪いんだってぇ~
 次からアレだ!
 ヘリウムだヘリウム!(笑)」

「ヘリウムって、あのー」


「そうそう!
 あの鼻つまんで
 吸い込んだら
 変な声になるやつ(笑)」


「ヤだよ!!
 柚那はちゃんと
 聞いてくれてたもん!」


そう言ってまた

突っ伏してしまった。


先生・・・


子供っぽいよ・・・。


「お?美輪ちゃんの
 授業なんだ?」

「はい、今日から選択の
 古典で受けもって
 もらうことになったんです。」

「うわぁ~
 古典とかで美輪ちゃんだったら
 超最悪じゃん!(笑)
 あの流れるようなリズムで
 朗読された日には
 全員落ちるね、眠りの森に。」


「えぇ・・・。
 学級委員としては
 何か手を打たなければと
 思ってるのですが・・・。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」


私も久世先輩も腕を組み考え込む



・・・・フリをする。


「ヘリウムだな。」


「ヘリウムですね。」


「今度の予算の中に
 組み入れとくよ。」


「よろしく
 お願いします生徒会長!」


「ヒドイよお前らぁ~~~!!」


私と先輩は笑ってて

先生は立ち上がって

久世先輩の頭をグリグリしてる。


ほんとに楽しい。


けど、こんな楽しいことがあると


すぐに押しよせてくる



私の中のナニか・・・。




だから私はあんまり長くは


笑っていないと思う。





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