先生へ -君に詠む愛の歌-
「それよりネクタイ
 どうしよう・・・。」

「ん?お父さんの
 借りるんじゃないのか??」

「うち父親いないんですよ。」

「そうか。ごめん。」

「いいですよ。
 それよりネクタイ
 どうしよう~
 佳央もあるのかなぁ~」

「田元も父親いないのか??」

「いないというか、
 海外で単身赴任中だから
 家にネクタイとかあるかどうか・・・
 全部持って行ってそうな気も
 するけど・・・。」

「俺のやつ使うか??」

「え??
 先生いつもジャージ・・・。」

「あのなぁ。
 これでも一応社会人。
 ネクタイぐらい
 5本や6本ぐらい持ってるよ。
 新人のころは2~3年ぐらい
 スーツで授業してたし。」

「どうしてジャージに??」


「楽だから。」


「・・・・・。
 ネクタイ貸して
 いただけますか??」


「ジャージの経緯は
 もういいのか(笑)
 明日適当に持ってくるよ。」

「できればもう1本
 佳央の分も貸して
 もらえませんか??」

「あぁ。いいよ。」


そう言って先生は


私に優しく微笑んだ。 


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