先生へ -君に詠む愛の歌-
翌日。

放課後に佳央を連れて

生徒会室へ向かった。

やっぱり佳央も

ネクタイ用意できないみたい。


もしかしたら私に合わせて

くれてるのかもしれないけれど。


コンコン。

「失礼しまーす。」

「お!柚那ちゃんお疲れ!
 ん?友達??」

久世先輩がニコッしながら

私に話しかけてきた。

「はじめまして。
 田元佳央です。」


ペコっと頭を下げる佳央。


「柚那ちゃんは友達まで
 美人系なんだなぁ~
 俺なんかテレてきた(笑)」



「なんで久世がテレるんだ。」


私たちの後ろからフイに

イイ声が聞こえてきた。

「あ、美輪ちゃん!
 だって見てよぉ~
 二人ともめちゃカワイイじゃん!」


必死に力説する久世先輩。

先生は何も言わずに

私たちの横を通り

奥に進んでいく。

「そのバカほっといていいから(笑)
 昨日のことだよな?
 準備室にあるから入って。」

そういって私たちを笑顔で

招きいれてくれた。

「なんだよ美輪ちゃん!!
 ムシかよ!!
 ほんとにヘリウム買っちゃうぞ?
 生徒会長の権限ってスゴイんだから!
 あーあ!ほんと・・・」

先生はずっと訴えてる

久世先輩を鼻で「フッ」て笑って

準備室のドアを閉めた。


『ムキィーーーー!』


ドアの向こうで

久世先輩の奇声が聞こえた。


おもわず佳央と2人で笑った。








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