電子警察官AKI ~3日間の命~

○自壊

『博士、質問があります』


お披露目会が終わった後、警察署に連れていかれ散々AKIの説明をした。

聞き漏らしのないように、徹底的に叩き込んだ取り扱いの仕方。
実験室に着くまでに約5時間掛かった。


「勘弁してくれ、お前と違って私は疲れてる。その質問は重要な事なのか?」


『特別重要とまではいきませんが、そこそこ重要です』


「……言ってみろ」


『僕には"自壊"出来ますか?』



座っていた椅子から立ち上がり、私は画面の前に顔を近付けた。




「…一応は可能だ。後、お前の場合正しく言うと"自消"な。データを破壊する事に私の許可はいらない。但し、その自消行動をしなければならない大きな理由がないと、お前は何も出来ないし、私にも不可能だ」


『それは、僕に生きる定義が存在するからでしょうか』


「勘違いするな、お前は人間と違う。お前と人間の大きな違いを言ってみろ」


『呼吸をするかしないかです』


「馬鹿でもわかる回答をありがとう」


『どういたしまして』




果たしてこいつに今の皮肉が伝わったのかどうか…。

今一つ会話力に欠けるな。



「どっちにしろ覚えておけ、AKI。私が入力した情報を余すことなく引用したとしても、お前はただのAIであって人間ではない。たとえお前に"意志"や"自我"が存在しても、それは人間に限り無く近いただのAIなんだ」


『了承しました』
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