電子警察官AKI ~3日間の命~

○危機

小林は大声で高笑いしている。


そうか、あの時フィルターを解除したのは…電子回路に潜ませたウィルスをAKIに送り込ませる為だったのか…。

ウィルス専門学科のこいつになら、不可能ではない…。



……駄目だ、出血多量で意識が朦朧としてきた…。

溢れでる血が目に染みる。


「こりゃ放っといても死にそうだなぁ…どーしようかなぁ、今殺っちゃおうかなぁ…」


「くっ…!!」



首を捻って怪しく笑う小林を、私は睨んだ。

こんな男に…!!





『小林博士、貴方に質問があります』


「あぁん?」


「AKI…?」



今まで黙っていたAKIが口を開いた。

小林は酒瓶の先を私に突き付けたままAKIの方を見る。



『質問をしても、宜しいでしょうか』


「…へぇ…いいぜぇ、言ってみろよ。特別に答えてやる」


『ありがとうございます』



AKIは無表情で小林に問い掛けた。



『貴方は何故、ハッカーになったのですか?』


「厳密に言うと俺は元からハッカーで、後から科学者になったんだよ。その方が多くの情報が手に入るし怪しまれずに済んだ。おまけにこのプロジェクトに参加して、お前の情報を知る事が出来たからなぁ…万々歳だぜぇ」


『そうですか…もう一つ、質問しても宜しいでしょうか』


「なんだぁ?」




AKIはそこで、ようやく笑った。



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