電子警察官AKI ~3日間の命~

○逮捕

「喜べ、AKI。お前の活躍のおかげで逮捕者が続出だ。大手柄だぞ」


『ありがとうございます』



情報を提供して数時間後、警察署からハッカーが現行犯逮捕されたとの連絡があった。

先程からそのニュースでもちきりだったから、別段伝えられても驚きはしなかった。


その結果を聞いたAKIは、どこか嬉しそうな表情をした。



「なんだ、お前。ちゃんと笑えるんじゃないか」


『その様に感情プログラムが作動しました』


「なるほどな…逮捕するとお前は"嬉しい"という情報に繋がるのか」


『博士、それには少し語弊があります』


「…なに?」


『訂正して宜しいでしょうか』


「プログラムはそのままにして言ってみろ」


『僕が"嬉しい"とデータを出したのは、博士にお褒め頂いたからであって、逮捕された事ではありません』


「…!そうか、それは…少し残念だ。そのプログラムを消去して、"逮捕したから嬉しい"に変更しろ」


『了承しました』



やれやれ、そんな事では世間に公開された時に袋叩きだぞ。

奴等には結果が重要なんだ、お前の気持ちは関係ない。



『博士、消去が完了しました』


「よし、ならば問おう。…お前が"嬉しい"と思ったのは何故だ?」


『逮捕者が出た事であります』


「そうだ、それでいい。バッチリだ」



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