電子警察官AKI ~3日間の命~

○改良

「さて、早速だが明日にお前を世間に公開する」


『詳しい日時を教えて頂けますか?』


「明日、6月27日の13時からになっている」


『コンピュータースケジュールに入力します』


「私がお前のデータを持っていくのだから必要ないと思うのだがな…まぁ、勝手にしろ」



ついに明日こいつをお披露目か…。

果たしてお偉い方のお気に召すかな?


見た目はバッチリだと思うのだが、何しろこの無愛想ぶりが心配だ。

シャレの一つでも言えるならまだしも、試験的に造られたただのAIだからな。


…少し、感情プログラムを改良するか…。




『博士、質問があります』


「なんだ、質問することを許す」


『博士は今、僕に何をしているのですか?』


「お前の感情プログラムを改良している。あまり弄くるのもあれだが、お前は少し無愛想過ぎる。このままではあいつらに気に入ってもらえないぞ」


『警察官には、人々に気に入られる必要があるのですか?』


「さぁな、気に入られると言うよりも、信頼性に関わる仕事だ。只仕事ができるだけてではあまり警察官とは言えないだろう」


『了承しました。ありがとうございます』



私が答え終わると同時に、改良が終わった。

今のAKIのお礼は、確実に"ありがたい"という感情がこもっていた。

最も、私の手によって造られた"ありがたさ"だがな。




< 9 / 30 >

この作品をシェア

pagetop