桜雪(仮)



「あたしひいばあちゃんに会ったことも話したこともないよ?」



「―――そうね……。」


「?」



おばあちゃんは寂しげに微笑む。

あたし…会ったことあったけ?



あたしはファイルを閉じおばあちゃんに渡した。


まだ手元には巻物が残っているが。



「その巻物には…私やお婆様、真神本家に嫁ぐ女か真神家を継ぐ女性のみ知らされる…。


どの史実にもこの真神家の資料にも乗ってない事。
もちろん祐介や仁一(爺ちゃん)も知らない。巻物の中を見て。」



あたしはおばあちゃんに言われた通り巻物の紐を解き中を見る。


黄ばんだ半紙に書かれている文字はおそらく江戸時代の物。



あたしは爺ちゃんに古典やら歴史書やらたくさん叩き込まれたおかげで今は楽に読めるが…。



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