禁断レンアイ







「・・・私・・・・先輩の事が・・・好き・・・でした・・・・」
それを言い終ると同時に、私は行き先も決めず無我夢中走った。






振られる事はわかっている。だって先輩には彼女がいるから。





私はゆっくり立ち止まった。息が切れ、涙が頬を伝うのに気が付いた。

『好きでした。』本音を言うと今でも好きです。忘れられそうもありません貴方の事。でも、

私は貴方の幸せを祈ろうと思います。好きだからこそ・・・・





下を向いているとちらちらと白っぽい物が見えることに気が付いてゆっくりと顔を上げてみた。すると、そこには、満開のさくらが咲いていた。



狂い咲き・・・・・・。
真夏の青い空に桜が舞っている。



今日は、私の恋の卒業式・・・・。まだ、思い出して涙する日があるかもしれない。でも、この気持ちと向き合ってみよう。



その気持ちを込めて、桜に『大好きでした』と彫った。




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