きみといっしょに



おれはホームルームが終わった瞬間に教室を飛び出した。



結弦の教室に向かっていると
間の悪いことにおれが入っているバスケ部の先輩がいた。




「こんちは」



「おぉ、和泉〜お前何で昨日来なかったんだよ〜」




話好きで後輩からも話しやすいと好かれている先輩だが
それが今は鬱陶しい。



「すんません、昨日は用事があって…」




本当はサボりだけど。




「まぁ、大事な用ならしょうがないけど
あんまり休まない方がいいぜ?
ここだけの話、お前は次の部長候補だから」



「そうなんすか」




やばい…なんか嫌な予感。




「お前今日は絶対行かないとな」



先輩は親しげにおれの肩を叩く。



「すいません、先輩…今日はー」



「はい、聞かない。さぁ行くぞー」



そのまま肩を組まれて体育館まで誘拐されたおれ。



やばい。どこかで間を見て帰らねえと…。



結弦に今日部活って言ってねえよ…





結弦…いつものように図書室で待ってくれてるよな?






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