きみといっしょに
どうしようか悩んでいると
既にジャージに着替えている、永見がいた。
永見もバスケ部だ。
ていうか…コイツはおれが悩んでるときには絶対現れるな。
「あれ?千鶴じゃん。
お前さっきめっちゃ慌てて教室出てなかったけ?」
「そうなんだよ!
ちょっとさ、先輩たちの目を引き付けて、おれ逃がしてくんね?」
おれは顔の目の前で手を合わせて、永見に頼む。
「いやー、それは無理だろ。今日は特にね」
「は?なんでだよ」
「それはなー」
…永見が言うには
今日は、おれたちが入部する前から足の故障で休部していた1人の先輩が復帰して
そのお祝いで休みがちな部員も集めて、紅白試合をするらしい。
だから来てない奴はすぐバレて、逃げ出そうとする奴はすぐ捕まえられる…と。
「ってことで、千鶴、諦めろ」
「まじかよ」
何でこんな日に…!
「おーい、そろそろ紅白試合始めるぞー!
着替えてない奴は着替えろー!」
部長が叫んだ。
あー、もう諦めるしかない。