きみといっしょに
紅白試合は5試合やって、幕を閉じた。
「今日は俺のために―」
体育館では復帰した先輩のお礼の言葉が続いている。
おれは早く帰りたいのに。
イライラする…。
30分ぐらいして部長が言う。
「はい、解散っ」
よし、着替えたら、即図書室だ。
「千鶴、何慌ててんの?」
「うっせぇ、永見!ゆづが待ってんだよ」
着替えながら永見を睨む。
そんなおれを見て、永見がキョトンとする。
「なんだよ、その顔」
「いやー、千鶴知らないんだな、と思って」
はぁ?意味わかんね。
「何がだよ」
「和泉さん、同じクラスの奴と付き合いだして、今日そいつと帰ってたよ」
「はぁぁ?」
ビックリしすぎて、Yシャツを落としてしまう。
おれは上半身裸のまま永見に詰め寄る。
「お前、何冗談言ってんの?
そんなにおれを怒らせたい?
ゆづが男と付き合うわけねぇだろ」
おれは高校に入ってから1度も結弦に好きなやつがいるなんて聞いたことないぞ?!
ましてや、結弦が好きでもない男と付き合うわけがない。