きみといっしょに




「はぁー…」



小さなため息をつく。




まだ朝早い時間だから教室には少ししか人が来ていない。




いつも遅刻ギリギリに来るわたしがこんなに早く来た理由…。




千鶴ちゃんを置いてきて先に来てしまった。




昨日の今日でこんなことするなんて、
千鶴ちゃんの言葉を引きずってることバレバレだよね。




わたしってまだまだ子供…。



こんなんで千鶴ちゃんのフォローなしで生活するなんてできるのかな…。




「え、もう結弦来てるじゃん」




再び小さなため息が出そうになった瞬間、
後ろから声を掛けられた。



振り向くと、わたしの前の席の人。




「おはよぉ、高野くん」



「ん、おはよう」



高野くん…わたしがこのクラスで唯一普通に話せる男の子。






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