きみといっしょに
「え?俺の存在にも気づいてなかったの!?どんだけ悩み倒してるの?」
高野くんは電車のつり革に手を伸ばして、今日何回目かの苦笑い。
「ごめん…」
「いや、いいんだけどね。ていうか俺は結弦が何を悩んでるか知りたいんだけど?」
低いわたしの顔を除き込んでくる…。
〜だから…近くて目線が泳いじゃう…。
「えと…千鶴ちゃんに行き帰り一緒にしないってこと言った方がいいのかな…って」
「あー、そこか〜。まぁ言っといた方が良いんじゃないのかな?そしたらはっきりするしね。
で、何で?って言われたらどうすんの?」
あ…そうだ…どうすればいいんだろ…?
「俺と一緒に行き帰りすることになったって言っちゃう?」
高野くん楽しげに言わないでよ。
千鶴ちゃんにそんなこと言える訳ないし…恥ずかしいし…。
「あははっ、そんな考え込まなくてもっ。それが嫌なら、無難にこの年で兄弟で行くのは恥ずかしくなりました。
で、いいんじゃないかな?他クラスまで俺たちの変な噂は回ってないと思うし」
「あ、うん。じゃあ…それで」
…頑張って言ってみよう。
相当勇気いるけど…。