きみといっしょに
「お前、何嘘付いてんだよ。本当のこと言ってみろよ」
「本当って…い、意味わかんないよ…?」
やっぱり…嘘ってバレちゃった…。
「そんなに俺に言いたくないのかよ?」
「な、にが…?」
千鶴ちゃんが本気で怒り出して…本当に怖くて、俯いたわたしの目に涙が滲んできた。
「お前、高野っていう奴と付き合い出したんだろ?」
…やっぱ嘘の噂知ってたんだ…!
「何で本当のこと言わねえんだよ。朝だって、勝手に先行きやがって。お前、まじイライラするんだよ!」
―わたしの顔がカッと赤くなった気がした。
いくらのんびりのわたしでも千鶴ちゃんに一方的に怒りをぶつけられて平然としてれるわけない。
「…わ、わたしだって…」
わたしは口を開いた。
「わたしだって、千鶴ちゃんにイライラするよっ。
それに意味わかんないし!1人で行動しろって言ったり、先に行ったら怒ったり、わたしの教室に何回も来たり!
わたし千鶴ちゃんのわがままにはもう付いてけない!」
初めて千鶴ちゃんに怒鳴った。
いや、千鶴ちゃんに対してだけじゃなくて、
わたしは生まれて初めて誰かに対して、
抑えきれない怒りを覚えてそれをそのままぶつけた。
「そ、それに…それにっわたしが誰と付き合おうと千鶴ちゃんには関係ない!!放っといて!」
と…言って走って自分の部屋に入って、扉を勢いよく閉めてしまった。
気づいたら、手は小刻みに尋常じゃないほど震えていて、
頬には涙が伝っていた―。