きみといっしょに
「で?千鶴ちゃんは何で部屋に飛び込んで来たのかな?
1人で行動しろって言っちゃった相手を助けに来た訳じゃぁないよね?」
「うぉ…そ、それはだなー…」
やばい…全部図星なんですけど…。
「はい、言わなくちゃいけないことはちゃんと言いましょう」
高野はニヤッとしておれに言った。
コイツ…結構いい性格してんなっ!
「んなこと、お前に言われなくてもわかってんだよっ!」
1人理解できずにキョトンとしている結弦に向き直って
おれは口を開く。
「ゆづ、あんなこと言ってごめん。
1人で行動しろとか…昨日も怒鳴って…まじでごめん」
結弦がそばにいなくて気づいた。
結弦といることが楽しいし、結弦がいたら安心する。
ケンカしても考えるのは結弦のことばっかだったし
…おれは結弦がいなかったら弱いんだ。
結弦がいることで、おれは兄としての役目を果たそうと強くなれる。
―結弦がいるおれがおれなんだ。
双子の救世主―千鶴side
《end》