花とキミ*秋・冬
その内来るだろと思って、
目を離した俺の制服を掴んで
雷哉は言った。
「あの、門の所に居るのって
昨日の人じゃない?」
「そう‥かもな。
ちょっと、行ってくる。」
今日は、花菜を譲れねぇ。
電話出てくんねぇなら、
直接話すしかねぇから。
「‥こんにちは。」
俺は、携帯をいじっているそいつに
声をかけた。
「ん?何か?」
「空哉〜ちょっと待って!!」
後ろから追ってきた雷哉の声を、
俺はシカトしたけど‥奴は反応した。
「‥空哉?
君が、空哉くん?」
「‥まぁ、そうですけど。」
何なんだ?俺のこと知ってんのか?