花とキミ*秋・冬
「まぁね‥
昨日、花菜ちゃんの携帯に
電話かかってるの見ちゃったし、
それに‥‥‥」
「それに‥何ですか?」
「花菜ちゃんが寝てる時に‥
空哉くん‥って呟いてたから。」
俺の名前を‥‥?
「前置きはこのくらいにして‥
本題に入ってもいいかな?」
爽やかに笑った、尋翔さん。
この人‥モテんだろうなって思った。
「俺は‥花菜ちゃんが
本気で好きなんだ。」
いくら許嫁でも、
あぁ、そうですかって頷けるほど
俺はまだ、出来た人間じゃない。
「悪いですけど‥
俺だって、花菜が好きです。」
尋翔さんは、少し驚いた顔をして
口を開いた。