花とキミ*秋・冬
「あの‥ありがとうございました。」
尋翔さんは、あの後結局私を
家まで送ってくれた。
「いーえ?」
そう言って首を傾げる尋翔さんは、
本当にカッコいいと思う。
どうして、好きになれなかったのかな‥
「‥‥っ‥」
突然引っ張られた腕。
「‥えっ?!」
ポスンと音とともに私の体は暖かい尋翔さんに
包まれた。
「ごめん‥もう少しだけ。」
痛くはないけど、少し強めの力で。
私の腕は、下がったまま。
尋翔さんの気持ちに応えられなかった
私に‥背中に腕は回せない。