花とキミ*秋・冬
「そんなの知らねぇって‥」
空哉くんは、私と目が合うと
言葉を止めた。
「花菜‥」
「ごめんね、私が誘ったの。
久しぶりに皆で食べたくて‥」
「いや、別に‥いいけど‥」
何となく気まずい空気が流れた。
「じゃあ、食べよっか!」
そんな空気を破ってくれたのは、
雷哉くんだった。
「そうだねー」
で、座ったのはいいんだけど‥
空哉くんの前は緊張するよ。
雷哉くんやナツちゃんが話してるのを
何となく聞いてはいたけど、
目の前にいる空哉くんが気になっちゃって
全然内容が入ってこない。
「‥‥‥花菜。」
「へっ?」
突然空哉くんに名前を呼ばれて、
変な声が出てしまった。