花とキミ*秋・冬




「ご飯粒、ついてる。」

「え?どこ??」

「ここ‥」

と手を伸ばしかけた空哉くんは、
私の顔に触れる直前に手を引っ込めた。

「‥‥え‥」

思わず小さな声が漏れた。

空哉くんは、引っ込めた手で
自分の唇の横を指差して教えてくれた。

「あ‥ありがと‥」

「ん‥」

触るのも嫌ってことかな。

その後は、涙が零れないように注意して
空哉くんの顔は見れなかった。

お弁当も、味がしなかった。




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