花とキミ*秋・冬
「バイバイー!」
元気に、手を振ってくれた雷哉くんと
無表情に近い顔をした空哉くんと別れた直後。
「どうしたのよ。」
私の気持ちなんて
見透かしているかのような璃菜に聞かれた。
ナツちゃんもハルちゃんも心配そうな顔で
私を見つめている。
「私‥空哉くんに結構嫌われてるんだなぁ
って悲しくなっちゃっただけ。」
「何されたのよ。
答えによっては、海谷殴るから。」
璃菜‥怖いよ‥
「何も‥されてないよ。
何もされないことが、すごく悲しいの。」
「何も‥されないこと?」
ナツちゃんとハルちゃんが訳が分からない
というように首を傾げる。
「うん‥」
軽く笑ってその場は誤魔化した。