花とキミ*秋・冬



*空哉side


「空哉ーねーねー」

うるせぇ。

「なんだよ、うるせぇな。」

俺が振り向くと、パッと顔を明るくした雷哉。

「おー久しぶりに返事された。」

「‥は?」

「空哉ね、気づいてなかったと思うけど
最近俺の話聞いてたようで
聞いてなかったからねー」

「そうだっけ?」

あんまり覚えてねぇわ。

「やっぱ、花菜ちゃんのおかげ?」

「お前なぁ‥」

昼に誘ってきたのはビックリしたけど、
花菜が頼んだと聞いて素直に嬉しかった。

「もっと、話せばよかったのにー
それよりさー花菜ちゃんに何かしたの?」

「は‥?何もしてねぇよ。」

しそうには、なったけどな。
花菜に触りそうになって、思わず手を引いた。

尋翔さんの顔が横切って、
もう、花菜に簡単に触れちゃ
ダメなのかもなって思ったから。

「なぁ、花菜ってもう付き合ってんだよな?」




< 199 / 259 >

この作品をシェア

pagetop