花とキミ*秋・冬
-------次の日の朝。
いつもより早めに家を出た俺の横を、
ジャージ姿の高校生くらいの男が
走っていった。
「‥あ!?」
やけにデカイ声が聞こえて、前を見ると
その男がこっちに向かってきてた。
「空哉くんでしょ!」
目の前で立ち止まられて、名前を呼ばれた。
こんなスポーツ少年、知り合いにいたっけ?
あ‥‥‥
「尋翔さん‥」
「良かったー忘れられてたらどうしようかと
思っちゃったよー」
そう言って気さくに笑いだした尋翔さんから
この前のような敵対心は感じられなかった。
「どー?花菜ちゃんとは上手くやってる?」
「え‥?」