花とキミ*秋・冬
まさに俺が聞こうとした質問が、
尋翔さんの口から出た。
「花菜って、尋翔さんと
付き合ってるんじゃないんですか?」
すると、尋翔さんは驚いた顔をして
すぐに答えを返してくれた。
「花菜ちゃんから聞いてないんだ?
俺は、きっぱりフラれたよ。
誰かさんのことが忘れられないってよー?」
「え‥‥」
誰かさんって‥
「ヤバイ、ヤバイ。口が滑ったー」
「尋翔さん‥」
「後は自分で考えな?
さすがに俺もそこまでお人好しじゃないし。
さてと、俺はそろそろ行くかなー
ランニングの途中だし。」
じゃあね、と言った尋翔さんは、
あーそうそうと立ち止まって言った。
「1つ、いい忘れてた。
俺、まだ好きだから。
今度泣かせたら、遠慮なく奪いに行くから
覚悟しといてよ?」
「‥‥分かりました。
尋翔さん、ありがとうございました!」
すでに走り出していた尋翔さんは、
軽く手を振って行ってしまった。
本当にカッコいいよな‥
花菜‥俺、ちょっと期待していいか?