花とキミ*秋・冬



片手にはバック、片手は空哉くんと手を
繋いでいる。

幸せだなぁ‥

エレベーターに乗り込み、空哉くんが
1階のボタンを押してくれた。

「朝ごはん何かなー?」

「何だろうな‥
あ、花菜髪になんかついてる。」

「ホント‥?取ってー」

「取るから、じっとして。」

その時、エレベーターの扉が開いた。

「あら、朝から見せてくれるわねー?」

「おー空哉もやるなー」

エレベーターの扉に背を向けていた空哉くんが
振り返って相手を確認する。

空哉くんがどいてくれたから、
私も相手が見えた。

「母さん、親父‥何言ってんの。
糸くず取ってただけだし。」

「照れなくていいのにー」

空美さんと朋哉さんが入ってきて、
扉が閉まった。

「空美さん、朋哉さんおはようございます。」

「花菜ちゃんおはよー
今日も相変わらず可愛いわねー」

空美さんがぎゅーっと抱きついてきた。

「あ‥ありがとうございます‥」

「ねー花菜ちゃん可愛いー」

そのままの雰囲気で朋哉さんが近づいてくる。

「親父、何やってんの。」






< 234 / 259 >

この作品をシェア

pagetop