花とキミ*秋・冬
片手にはバック、片手は空哉くんと手を
繋いでいる。
幸せだなぁ‥
エレベーターに乗り込み、空哉くんが
1階のボタンを押してくれた。
「朝ごはん何かなー?」
「何だろうな‥
あ、花菜髪になんかついてる。」
「ホント‥?取ってー」
「取るから、じっとして。」
その時、エレベーターの扉が開いた。
「あら、朝から見せてくれるわねー?」
「おー空哉もやるなー」
エレベーターの扉に背を向けていた空哉くんが
振り返って相手を確認する。
空哉くんがどいてくれたから、
私も相手が見えた。
「母さん、親父‥何言ってんの。
糸くず取ってただけだし。」
「照れなくていいのにー」
空美さんと朋哉さんが入ってきて、
扉が閉まった。
「空美さん、朋哉さんおはようございます。」
「花菜ちゃんおはよー
今日も相変わらず可愛いわねー」
空美さんがぎゅーっと抱きついてきた。
「あ‥ありがとうございます‥」
「ねー花菜ちゃん可愛いー」
そのままの雰囲気で朋哉さんが近づいてくる。
「親父、何やってんの。」