花とキミ＊秋・冬

璃菜の目を見ることが出来なくて
下を向きながら、ハハなんて
乾いた笑いを溢す。

こうでもしなきゃ、泣いちゃうよ。

「花菜‥合わなかったからなんて
嘘でしょ？」

「‥嘘なんかじゃ‥‥っ。」

顔を上げると、
璃菜と目が合っちゃって‥
目をそらした。

「嘘じゃないって言い張るなら‥
ちゃんと、私の目を見て、
海谷と別れたって言ってみて？」

顔を上げて、璃菜の目を見た。
少しずつ歪んでいく、璃菜の顔。

「‥‥空哉くん‥‥と‥‥‥別れた。」

涙を溢さなかっただけ、上出来。
璃菜には‥‥勝てないよ。