花とキミ*秋・冬
*花菜side
空哉くんとさよならしてから、
数日経った。
「はぁ‥」
まだ慣れない1人の帰り道。
寂しいなぁ‥
空哉くんと話したい。
空哉くんに抱きしめられたい。
空哉くん‥‥
最近は、泣かなくなったけど
1人の時は、
どうしようもなく悲しくなる。
空哉くんは、私のことなんか
とっくに忘れちゃったかなぁ‥
心の隅には、まだ居るかな‥
空哉くんは私の心の真ん中から、
ずっと離れてくれないけど。
‥――ピンポーン
「‥花菜です。」
もう何度目か分からない
ため息を吐きつつ
玄関のノブに手をかける。