永遠の約束(深青編-序章-)
リビングの扉が閉められたのを確認してから深青はみゆきの方へ向き直る。
「如月さん………?」
いきなり、2人っきりにされてみゆきは不安そうな顔をする。
その不安を吹き払うように深青は笑顔を向ける。
「昔話しない?」
「昔話?」
何を言っているのかわからないといった表情をするみゆき。
「みゆきちゃんはいつから正木くんのこと好きなの?」
「なっ! あたし、別にあいつのこと好きでもなんでも! ………ただの………幼なじみ。それだけ!」
必死に否定するみゆきの表情を見ながら、深青は温かく微笑む。
その微笑に必死に否定した自分がなんだかとても幼く感じみゆきは頬を染める。
なんだか、深青には全てわかられているような気がしたのだ。
自分の否定が無駄な足掻きのように感じてしまう。
「私にもね、幼なじみっていたんだ。すっごく大好きな幼なじみ」
思いもよらない言葉にみゆきは深青の顔を見る。
その言葉の中に何があるのかみゆきにはわからない。
一体何が言いたいのか………。
そんなみゆきには構わず深青は話を続ける。
「だからかな。一緒にいれるみゆきちゃんたちがすごく羨ましい」
「え? それって………。」
「うん。今は遠くにいるんだ。本当に好きで好きで仕方ないぐらい。私、お父さんがああいう形で亡くなったから………わけがあって連絡も取れなくて………。だから、彼は私がどこにいるかも知らないの。知らせずに転校しちゃったんだ」
「どうして? どうして、教えないの? そんなに好きな人なら」