永遠の約束(深青編-序章-)
「驚いたでしょうね。そりゃ、驚くか」
1人満足そうに納得している大也母だが、深青と優奈には全く理解できない。
「ごめんね。そりゃ、戸惑うよね。会ったというか、私が見かけたというのが正しいわね。あなたたち2人と後、もう1人綺麗な男の子がいるところをね」
「………それって、楽しそうに私たち3人してました?」
優奈はばつの悪そうな顔で大也母に聞く。
「………そういえば………男の子は泣いてたような気がするわ。まあ、昔のことだから確信は持てないけど」
「ああぁぁぁ。間違いなく私たちだ………」
優奈はがっくりと肩を落とす。そんな優奈をほって深青は大也母に聞く。
「私たちを見かけたということは如月神社へいらっしゃったということですね」
確信を持って深青ははっきりと述べる。
「ええ。あなたたちも、もう知っていると思うけど大也のことを相談にね」
「正木くんの能力のことはいつからご存知だったんですか?」
「3歳の時よ。あの子は自覚するようになってからは私たちには隠してたけど、その前から気づいてたわ」
「そうですか………。そんなに早くから」
深青は目を閉じる。
大也母は一息ついてからまた静かに語り始める。
「1度、あなたのお父様に相談に行ったんだけど、すぐには納得することができなかったの。目の前で自分の子の異様な力を見ているのにね。もしかしたら、私は否定して欲しかったのかもしれないわ。それはあなたの思い過ごしですって。………他の神社や、術者のような人のところにも行ったりしたのだけど、あなたのお父様のような明確な答えをくれた人はいなかった。だから、結局はもう1度、今度は主人と大也を連れて如月神社を訪れたんだけど………。その時には、あなたのお父様は………」
大也母の声のトーンが下がる。
その意味を知る優奈も目を伏せる。
だけど、深青だけはまっすぐと前を向いてその続きを引き継いだ。
「亡くなった後にいらっしゃったんですね。それじゃ、いらっしゃった時にはもう誰もいなかったのではないですか?」