永遠の約束(深青編-序章-)





2人の間にしばしの沈黙が流れた後、優奈は傍で頭を抱え、蹲っている大也を指差す。


「ところでさ、これは何してんの?」


「え?」


優奈に言われるまで頭の端からも存在を忘れていた大也の存在を深青は思い出した。


「正木くん………、まさか、今までずっとこの格好でいたの?」


「話に入ってこないところをみると自分の世界に入り込んでるね。こいつは………」


そう言うと優奈は大也の頭をバシッとはたく。


「イテッ!」


「やっと、こっちの世界に戻ってきましたかぁ? って、あんた、さっきから何してたの? こんなところに蹲って」


「な、何って………べ、べ別に………」


しどろもどろに答える大也を深青と優奈は不思議なものでも見るような目で見る。


「何、あからさまに動揺してるわけ?」


優奈はずいっと大也に詰め寄る。


だが、大也は優奈の先にいる深青と目が合い、顔を赤らめる。


先ほどの自分の言動をまたも思い出してしまう。


「別になんでもねえよ」


それだけ言うとプイッと視線をそらし、自分の席へと帰っていく。


「一体、なんなわけ?」


優奈には全く何が起こったのかわからなかった。


だが、それは優奈だけではなく口には出さなかったが深青もまた同じ思いだった。






一方、自分の中でのわけのわからない事態に1番戸惑っていたのは大也だった。


自分の席に着いたところで今までのことがなくなるわけでもなし、何かわからないものとの葛藤を自分ひとりで頭を抱えながらあたふたとしていた。




もちろん、その行動は周囲には異様な光景に映っていたのは言うまでもない。











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